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膳文庫

 レシピ付き漫画や小説等を収録した文庫です。  

「日日べんとう」第8巻 第9巻

「日日べんとう」第8巻
著者 佐野 未央子
発行 集英社(オフィスユーコミックス)
発行年 2017年1月30日
掲載レシピ(詳細でないのもあり)
・しじみ出汁ごはん
・プチトマトの出汁漬け
・トウモロコシとスナップエンドの炒め
・紅白寿司
・焼きリンゴ


「日日べんとう」第9巻
著者 佐野 未央子
発行 集英社(オフィスユーコミックス)
発行年 2017年7月30日
掲載レシピ(詳細でないのもあり)
・プレゼ(蒸し煮)




 紫藤と付き合うことになった黄理子。
 紫藤の唯一の家族である父親と会い、確執を知ります。
 でも、こっちは受け入れられる黄理子。

 なんとなく黄理子が荒井ではなく、紫藤を選んだ理由がわかりました。
 本質的に似てるんですね
 家族と不仲、周囲とあわない孤独、デザインの才能。
 そして、紫藤は無条件で黄理子を甘やかし、愛します。
 なので、私があまり紫藤を好きになれない理由です。
 黄理子にとって、都合が良すぎて、人間味も薄い。

 逆に荒井は受け入れやすいです。
 家庭的にはだめ人間だし、紅子とあれだし、でも仕事には真摯で決して
無責任ではない。
 元妻を最終的に嫌いになれないのも紅子を好きなのも、黄理子に惹かれるのも
彼女たちが好みだからでしょう。それとも元妻が実は好きで似ている人を探してた
とか、でも元妻は、死んだ荒井の兄が今も好きで、似た人の子まで産もうとしてる。
 自分は兄の代わり。
 今度は紅子に受け入れられるように、彼女にふさわしい男になるように、
身なりも整えて、事務所も大きくしますが・・・。
 かわいそうで、可愛い人です。

 黄理子にとっても荒井は大切な人です。
 でも、くっつくとストレスたまって爆発するでしょう。
 荒井の一家は破天荒に見えて、なんやかんやと仲がいいしね。
 ああいう家族も多いです。
 でも、家族を知らない黄理子には、それがわからないし、実は理想があるんで、
理想とあまりにかけ離れた荒井の家族像があわない。
 だから、母親がすでに亡くなっている紫藤とは、うまくいくんですね。
 あと、紫藤パパは、どことなく性格や雰囲気が荒井に似てるし。
 紫藤も荒井を慕っていたというのは、無意識に父親を見ていたのでしょう。

 結局黄理子は、自分にないものを持つ者とはうまくいかず、自分に似た人と
しか一緒にいられない、リラックスできないと言うことですね。

 ところで、第9巻の最後に紅子の昔話で、黄理子の父親らしき人物が出てき
ました。バラに囲まれての恋物語。紅子らしいです。


 

  
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プロフィール

HN:
神乃有月
性別:
女性
自己紹介:
膳文庫(かしわでぶんこ)管理人です。
歴史と料理本が好きです。
現在は、レシピ付き本を日々捜索中です。

 

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