「パティシエすばる ラズベリーケーキの罠」
著 つくもようこ
発行 講談社
発行年 2012年10月15日
掲載レシピ
・焼きメレンゲ
パティシエをめざす子達の成長を書くシリーズの二巻目です。
マダムクロエのアトリエで、お菓子作りのレッスンを受けるすばる達。
第1回目は、パイ。
すばる達は、パイ生地から作るのですが、硬いバターと粉をなじませるのはなかなか難しい。
練ってはダメですし、バターが溶けてもダメ。
ある程度まとまったら、伸ばしてたたんでまた伸ばすを繰り返して、生地をなじませていく感
じです。
そして、出来たパイ生地で作ったのがレモンパイ。
レモンパイって、レモンの酸味がおいしいのですが、案外パティスリーにはないんですよね。
最近はちょこちょこ見ますが、少し前では見かけたことなかったですね。
さて、すばる達は、教室でつばさからジュニアパティシエコンテストの話を聞かされます。
エントリーするつもりの翼の熱意に影響され、すばる達も応募することに。
ある日、マダムクロエのアトリエに行ったときに、ラズベリーのおいしさを教えられ、コンテストに出品する作品として、ラズベリーをいかしたピンクのケーキを考えます。
そこへ、クラスメイトの杉浦君がやってきて、お母さんの誕生日ケーキを注文します。
マダムクロエのアトリエは、お客様の要望に添ったケーキを作る店。
すばる達は、絶対にこれだよと、杉浦君に自分たちが考えたピンクのケーキを勧めますが、後日キャンセルに。さらに、パティシエ失格まで言われてしまい・・・。
落ち込むすばる達ですが、そのわけを考え直し、本当に杉浦君の要望に添ったお母さんに喜んでもらうケーキを作りはじめるのです。
すばるが素直でよい子だ。そしてマダムクロエ。どうも独身のようですが、温かい目ですばる達を見ています。
エピローグで、マダムクロエにすばる達は、黒い森のケーキのことを聞きます。
作れるとパティシエになれるという黒い森のケーキ。それはどんなケーキですか?
マダムクロエは話します。
それは、シュルツヴェルダーキルシュトルテだと。
ドイツ菓子で、要はチョコレートとさくらんぼのケーキのことです。
作り方を見ると、そう高価な材料を使っているわけではないのですが、なぜかパティスリーに並んでいることが少ない。
マダムクロエ曰く、すごく手間がかかるとのこと。
そして、そのケーキが出来たからと言ってパティシエになれるわけではない。その話にはもう一つの意味が込められていると。
それはお菓子の歴史を知ること。
そのケーキの歴史を知るにはオーストリアへ行けば分かるようなのですが、そう簡単には行けません。でも、コンテストで優勝すれば行けるのです。意気込むすばる達。
そこへ、つばさが、レッスンをやめるといいだします。
驚くすばる達ですが、つばさはコンテストは諦めないといい、ライバル宣言をするのでした。
夢に目指して、すばる達のレッスンはまだまだ続きます。