「甘々と稲妻」第1巻
著 者 雨隠ギド
発 行 講談社
発行年 2013年9月6日
掲載レシピ
・どなべごはん
・とんじる
・やくそくのハンバーグ
・甘辛ダレからあげ
・茶碗蒸し
「甘々と稲妻」第2巻
著 者 雨隠ギド
発 行 講談社
発行年 2014年3月7日
掲載レシピ
・グラタン
・イーストドーナッツ
・イカと里芋の煮物
・餃子
・五平餅
主人公の高校教師犬塚は、妻を亡くし。幼稚園児の娘つむぎの子育てに奮闘中です。
掃除や洗濯は何とかこなしますが、どうもうまくいかないのが料理です。
ろくにやったことがない上に、仕事も忙しく、つむぎに手間がかかります。
どうしても、外食や中食になってしまいます。
あるとき、桜に惹かれ紬を連れてお花見へ出かけると、満開の桜の下で、一人泣いているジャージ姿の女の子に出会います。
聞けば、母親とお花見の約束をしたのに。急な仕事でドタキャンされたと。
しかし泣いていたのは、ドタキャンではなく、一人食べてもお弁当が美味しかったこと。
二人で食べたかったのに、お弁当は一人でも美味しかった。
お弁当は母が作ってくれました。そんな気持ちで作ってくれたのだろうと思うとだんだん泣けてきたと。
そんなシリアスなシーンで、つむぎはよだれを垂らしながら言います。
「そんなにおいしい?」
食事に対し普段つむぎはイヤイヤをいったことはありませんでした。
しかし、ある夜、家に帰ってきた犬塚先生は、TVにはりついてグルメ番組を見ていたつむぎに言われます。
「ママにこれつくってておてがみして」
犬塚は思わずつむぎを連れて夜の町に走り出します。
向かった先は、桜の下で出会った女の子に紹介された彼女のお母さんがやっているごはん屋。
しかし、店にいたのは彼女のみ。
少女は、きりっとした顔でごはんを作ろうとしますが、手つきを見て料理の出来ない犬塚先生にも分かります。
「この子料理が出来ないだろ・・・」
それでも、なんとかできた土鍋ごはんは美味しかった。
ごはんだけだったのに、みょうにおいしくて、つむぎも満足げにしていました。
ちょっと感動している犬塚先生に、少女小鳥が告げます。
「先生、私とごはん作って食べませんか?」
美少女に、しかも自分が勤務している高校の生徒に頼まれ、おもわずたじろぐ、犬塚先生。
でも、つむぎは彼女を気に入っており、娘のために、母一人子一人の彼女が寂しい夕食を送らないで済むように(あくまで恋心でなく、生徒への思いとして)、犬塚先生は、小鳥と一緒に、ご飯を作ることになるのでした。
という感じで始まります。
料理を作る手つきは危なっかしいですが、3人で囲む食卓は楽しそうです。
分かります。
たまに、家での一人の食事がつまらないと思うときはあります。
誰かと一緒にごはんを食べたいと。
誰かと一緒に。
簡単なようで難しい食卓の風景。
これから物語はどうなっていくのでしょうか。