「ケーキの歴史物語」
著 ニコラ・ハンブル 訳 堤理華
発行年 2012年3月22日
発行 原書房
掲載レシピ
・ビスケットブレッド(1615年発行 ジャーヴェス・マーカム「The English Huswife(イン
グランドの主婦)
・パンフォルテ
・クグロフ
・ヴィクトリア・サンドイッチ
・クルミ入りコーヒーケーキ
・ライト・チョコレートケーキ
・カップケーキ
・フルーツ煮のケーキ
・レモンドリズルケーキ
・ヘーゼルナッツとラズベリーのケーキ
・アーティチョークとオリーブとグリュイエールチーズのフランス風香味ケーキ
・トレス・レチェ・ケーキ
・
私は、この文庫を作ったようにレシピ本が好きです。
実用向きというよりは、何かしらのテーマに絡んだものを好みます、
そして、歴史も好き。
だから、昭和初期とか、何十年、何百年前のレシピが好きです。
この本は、原書房が発行している食に関する歴史の本です。
元々、アメリカで発行されているシリーズで、読んでみたかったものが翻訳されました。
写真やレシピが豊富で、とてもよい本です。
この本は、ケーキを語ります。
まず、ケーキとはなんぞやから始まります。
日本でいうケーキとは、ショートケーキのような、日持ちしなくて柔らかいものと、
パウンドケーキのような、バターをたっぷり使った日持ちする重くてやや堅いものの2種ではないでしょうか。
しかし、ケーキが生まれたヨーロッパの方では少し事情が違うようです。
たとえば、日本のショートケーキの原型になったという、アメリカンショートケーキの土台はスポンジケーキではなく、ビスケットです。でも、『ケーキ』の名がつきます。
作者は、定義の特定が難しいと語り、誕生の歴史、ケーキと人の関わり、文学とケーキの関係性から、探っていきます。
最後は、ポストモダンのケーキとして、カップケーキを紹介して終わります。
これは、執筆された当時、カップケーキがブームだったようです。
ニューヨーク発のカラフルなアイシングが施されたカップケーキはやがて、日本に輸入され、ブームとなりました。
ただ、それも、今は去り、多数の店舗を展開していたアメリカのカップケーキ店がつぶれたというネットニュースを見ました。
でも、いつかまた復活するのでしょう。また違う形で。カップケーキは長年古くさいといわれて、モダンになって復活したのですから。