「夢色パティシエール」第9巻
著 松本夏美
発行 集英社
発行年 2011年5月18日
掲載レシピ
・シフォンケーキ
あらすじ
ジュリと樫野を仲良くすべく歓迎パーティーを開いたいちごですが、ジュリは中ナック一言多いというか、正直、核心を突くというか。
それもそのはず、ジュリはなんとスイーツの王国の王子様(つまり跡継ぎ)。
スイーツ王国に保管されていたいちご達の作品を見て、逢いたくなってきたという。
話は変わって、サロン・ド・マリーにて、スイーツコンペが行われることに。
コンペで入賞すると、メニューに加えられ、そこで人気が出ると殿堂入りです。
その殿堂入りの一つに、天王寺麻里が作った「天使のプリン」があります。
いちごも殿堂入りを目指して、コンペに出品する作品作りに挑みますが、そこでジュリから、どんなパティシエになりたいのか問われます。
いままで、自分がめざすパティシエとは何なのか考えたことのなかったイチゴ。
フルーツの入ったケーキがいちばん好きだと気づきますが、それをどう自分のケーキとしていくのか。
悩む中、樫野が自分とおなじショコラティエを目指す女性の先輩と仲を深めていくのを見て、もやもやするいちご。
そして、バニラの一言で、樫野への思いを自覚するのです。
そこからヒントを得て、コンペのテーマ「初夏のスイーツ」を作り上げます。
コンペ当日、自信作が並び、審査委員の好評な評価がでる中、一人だけ、気むずかしい顔をする審査員が。
すべての作品について、程度が低いとの評価を下したのは、なんとフランス校理事で有り、
スイーツ王国の大臣を務めるアザラン。
かれは、スイーツ精霊の留学基準の見直しを告げ、日本校のスイーツ精霊を全員強制送還してしまいます。
突然の出来事に呆然とするいちご達。
精霊を失った学校は花が消えたように、暗い雰囲気に包まれてしまいます。
そんななか、いちごはもう一度精霊にあいたいと、学校内にある、スイーツ王国の女王の雑煮願いを捧げるのでした。
この巻にて、やっと少女漫画らしくなってきました。
少女漫画に恋はつきものですが、主人公の恋がここに来てようやく登場。
でも、こんな展開は嫌いじゃありません。
イチゴが作り上げたのは、初夏と初恋の味、レモンを使ったチーズスフレケーキ。
ファーストキスはレモン味とか、誰が言ったんでしょうか。
そしてこのケーキは月をかたどっています。
そういえば、夏目漱石は、ILoveYouの日本語訳として、「月が綺麗ですね」と訳したそうです。
なぜそう訳したたのかは知りませんが、月夜は、昔から恋の効果として使われてきているフレーズです。
ロマンチックですものね。
このケーキの簡単なバージョンが他の巻に載っているので、作って食べてみたいです。